10月14日(日)に主婦会館プラザエフ カトレアで開催
された「第32回キネシオテーピング臨床研究発表会」
に参加してきました。
キネシオテーピング臨床研究発表会は１年に一度
開催され、キネシオテーピングに携わっている
臨床家や研究者による臨床例や研究の発表から
最新の情報や技術を学び、スキルアップを図る場
です。
参加者は、北は北海道から南は九州まで全国各地から
集まりました。
今回は、7編の研究発表と4編のワークショップ、
それと加瀬建造国際キネシオテーピング協会名誉会長
による特別講演が行なわれました。
〔学術臨床研究発表〕
①「ホーステーピング 腰椎骨折した馬への
テーピングケア」
青野菜名氏（北海道支部 HORSETAPING代表）
骨盤骨折により安楽死寸前だった馬が、
週一回のキネシオテーピングで、3か月後には
バランスを崩すことなく立つだけでなく、
引き馬も問題なく歩けるようになるまで回復した。
②「キネシオテックスと他社テープとの
性能比較」
間口勝貴氏（関東支部 介護老人保健施設川越ｹｱｾﾝﾀｰ）
キネシオテーピング専用テープ（キネシオテックス）
4種類と他社メーカー４種類の性能（重さ・通気性・
撥水性）を比較。
キネシオテックスは他社テープに比べて軽量で、
通気性、撥水性が高いので長時間貼ってもかゆみや
不快感を生じにくいと思われる。
③「キネシオテックスのカラーと皮ふの
日焼けの関係」
高橋範行氏（関東支部 竹内病院ﾘﾊﾋﾞﾘﾃｰｼｮﾝ科）
テープの色（黒・白・赤・青・ベージュ）で、
日焼けしにくさ、日焼け跡の目立ちにくさを検証。
一番日焼けしないのは黒で、日焼け跡が目立ちにくい
のは白という結果に。
④「脊椎小脳変性症へのアプローチ」
柳原敏之氏（東海支部長 航空自衛隊静浜基地）
運動失調を主な症状とする神経疾患に対して、
キネシオテーピングで病（小脳萎縮）の改善では
なく、日常生活における障害を改善できるか検証。
1年経っても筋力の低下はみられず、めまいやしびれ
が軽減し、日常生活をほぼ正常に行なえている。
⑤「アキレス腱断裂縫合術に効果が見られた
キネシオテーピング 冷感の改善に着目して」
白築香氏（中四国支部 島根県雲南市役所）
アキレス腱断裂縫合術後にみられた強度の足のむくみ
と冷感症状に対して、キネシオテーピングの貼り方に
より効果に違いがあるか、同じ貼り方でもテープの
種類を変えた時の効果に違いがあるかを検証。
⑥「骨折とＥＤＦ 骨折後のリハビリテーション
に役立つＥＤＦテーピング」
木口公文氏（九州支部 キネシオ療法ひまわり院長）
バドミントン練習中に転倒して骨折した手首に
応急処置から機能回復までキネシオテーピングを
使用し、1か月後の大会に出場を果たした症例。
キネシオテーピングは患部の痛みと腫れを軽減する
だけでなく、患部を支配する神経（頸椎：けいつい）
に貼ることで治癒期間を短縮できた。
⑦「橈骨遠位端粉砕骨折 橈骨遠位端粉砕骨折
治癒経過とテーピング」
穂刈理子氏（関東支部 Kinesio Treat Room）
整形外科で手首の粉砕骨折を手技で整復し、
ギプス固定をしながら指先のテーピングをすると、
指のむくみが引き、ギプス固定を外した後は
肩甲骨から手首まで数種類のテープを貼ることで
痛みを軽減させられた。
【特別講演】
「空・動・冷、流体筋膜理論、
見直された間質液」
加瀬建造氏（国際キネシオテーピング協会名誉会長）
色や形などは真似できても本当の効果は真似できない
キネシオテーピングの考え方やキネシオテーピングを
より効果的に貼るためのキネシオテーピング法
ならではの体の捉え方について。
〔ワークショップ〕
①「トータルバランステーピング（TBT）の
有効性 BMZインソールとのコラボレーション」
遠山立春氏（北海道支部地区統括指導員）
約９００件以上の臨床例があり、ＢＭＺインソール
理論とキネシオテーピング理論の両方から考えられた
トータルバランステーピングの有効性について。
②「見たてで選ぶキネシオテーピング法
切り方、貼り方、テープの種類」
岡根知樹氏（関東支部地区統括指導員）
キネシオテーピングで最良の効果を出すためには
人体をどのように判定していったらよいのかを
課題にし、それに基づいたテーピングやテープの
扱い方の一例を紹介。
③「筋肉テストによるテープの比較
～方形回内筋でテープを比較してみよう～」
黒見弘幸氏（中四国支部地区統括指導員）
キネシオテックスと他社テープによる効果の違いを
誰でも体感できる方法を考えたので、その方法と
実際に比較調査した結果を紹介。
④「ＥＤＦテーピング
～ＥＤＦテーピングの臨床例～」
石田勇樹氏（関東支部 ゆうき整骨院）
膝に症状がある患者と首と腰に症状がある患者に
対してＥＤＦテープでどう効果が出るかを紹介。
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今回参加してみて、キネシオテーピングはもはや
筋肉の治療をするだけのテープではなく、
骨折や手術後の腫れ・痛みを軽減し、早期回復に
役立てたり、神経の病気により低下した運動機能を
改善するなど医療の分野でも活躍できる可能性を
感じることができました。
そして、今回も色々な職種の先生方と交流でき、
さまざまな発表に刺激を受け、とても充実した
時間を過ごせました。
今回得た知識や技術はさっそく治療に活かしていくと
ともに、これからのキネシオテーピングの発展に
貢献していきたいと思います。
↑参加者全員での集合写真
↑加瀬名誉会長との記念写真
