一般的にテーピングというと、足首などの
関節を固めるスポーツテーピングを
イメージされる方が多いと思います。
スポーツテープは、捻挫などの怪我に
対する応急処置だけでなく、慢性的な障害を
持ったまま競技を行なわなければならないと
いう場合、関節を固定して再発を予防する
ためにも使われます。
そのため競技が終われば、取り外して
トリートメントを行なう必要があります。
伸縮性に乏しいスポーツテープは、固定には
優れていますが、関節を固定するために
動きが損なわれてしまい、運動機能が低下
してしまうことがあります。
激しい動きをしたり、コンタクトプレーが
あるスポーツでは、テーピングの効果と
この問題が相殺されますが、繊細な動きや
力加減、敏捷性が必要で、コンタクトプレー
がないスポーツにおいては、これが裏目に
出てしまいます。
また、関節部をかなり強く締めるので、
血液やリンパ液の循環が悪くなってしまう
恐れがあります。
キネシオテーピングは、スポーツテーピング
と全く異なる観点から生まれたもので、
寝違えや肩こり、腰痛など筋骨格系の障害や
めまい、耳鳴り、便秘などの内科的疾患を
治すために考案されました。
それぞれに使用されるテープを比較すると、
キネシオテープ | スポーツテープ | |
伸縮性 | あり | なし |
対象者 |
治療現場 |
激しい動きや |
持続性 | 連続使用が可能 | 連続使用は不可能 |
貼り方 | テクニックが簡単 | テクニックが必要 |
以上のように、スポーツテープと
キネシオテープは相反するもの
のようですが、スポーツの現場では、
キネシオテープとスポーツテープの
併用はよくみられます。
ダメージを受けている筋肉には、
キネシオテーピングで対応して、
さらに関節をスポーツテーピングで
固定した方がいい場合もあります。
アメリカンフットボールやラグビーと
いった激しいコンタクトプレーの多い
スポーツの選手に、このような使い方を
する人が多く、その使用感は好評です。
キネシオテーピングは、筋肉に沿って
『貼る』。スポーツテーピングは、
関節に何重にも『巻く』。
貼り方にもそれぞれ違いがあります。
そのため、キネシオテーピング法では
テープを『巻く』とは言いません。
「キネシオテープを巻く」とか
「キネシオテープの巻き方」などと
為っているトレーナーや治療家は、
キネシオテーピング法を正式に
習ったことがなく、自己流でやっている
可能性が高いです。